「腸活」と聞くと、便通改善やお腹の調子を整えるイメージです。最新の研究が、もっとすごいことを明らかにしています。
腸内細菌が、大人の脳に新しい神経細胞を作り出す。
「え、脳の細胞って増えるの?」と思いませんか。意外ですよね。還暦近くなると物忘れがでてきて、脳細胞がどんどん減っているとばかり思っていました。
「大人の脳は変わらない」は古い常識だった
かつて「脳の神経細胞は生まれた後は増えない」と言われていました。でも今は違います。
大人の脳でも「成体神経新生」と呼ばれる現象が起き、記憶や感情の調整に関わる新しい神経細胞が作り出されることがわかっています。
そしてその神経細胞の発達に、腸内細菌が深く関わっていることが最新研究で判明しました。
産総研の研究で何がわかったか
国立研究開発法人産業技術総合研究所の波平昌一研究グループ長らの研究によると、乳酸菌・酪酸菌・糖化菌の3種類のプロバイオティクス(ProB3)を投与したマウスで、海馬における神経幹細胞の増殖促進と、新たに生まれた神経細胞の成熟改善が確認されました。
さらに驚くのはここから。
ProB3がテアニンや3-ヒドロキシ酪酸、アンセリンといった代謝物を血中で増加させ、これらがヒト由来の神経幹細胞においても増殖・分化・成熟を促進することが明らかになりました。
つまり腸内細菌が作り出す物質が血液を通じて脳に届き、脳の若返りを助けているわけです。
「腸-脳軸」という新しい常識
腸と脳はつながっています。これを「腸脳相関」、「腸-脳軸」と呼びます。
腸内菌叢の存在が、大人の脳で新しく作られた神経細胞の正常な発達に必要であることが発見されました。
腸が荒れると気分が落ち込む、ストレスがあるとお腹が痛くなる。これも腸-脳軸でつながっているからです。
ゆるヴィーガンと腸活の相性が抜群な理由
植物性食品には食物繊維が豊富です。食物繊維は腸内の善玉菌のエサになります。善玉菌が育つと腸内環境が整い、脳にも良い影響が届く。
豆腐・納豆・豆類・野菜中心の食事は、まさに腸活と脳活を同時にできる最強の組み合わせです。
まとめ
- 大人の脳でも神経細胞は新しく作られる
- 腸内細菌がその発達を助けている
- プロバイオティクスで神経幹細胞が増える可能性がある
- 植物性食品中心の食事が腸内環境を整える近道
「腸活は脳活」。現代のキーワードです。
(出典:産業技術総合研究所・東京大学共同研究、学術誌「STEM CELLS」2024年12月掲載)
出典:国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)
「腸内菌が脳に果たす新たな役割を発見」2024年12月16日
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20241216_3/pr20241216_3.html
※原論文の図を引用・改変したものを使用


コメント